参院選後に通過する見込みの労働基準法改正案について、「ブラック企業合法化法案」が目的であると前回書きました。http://ishtarist.blogspot.jp/2016/06/blog-post.html#more
そうしたら案の定、「高度プロフェッショナル制度をブラック企業合法化だと解釈するのは無理がある」、という感じの反応がありました。
さて、その制度がどのような目的なのか、については、私たちが詮索するより、当事者に語ってもらいましょう。それでは、塩崎厚生労働大臣、よろしくお願いします!
高度プロフェッショナル制度はまあ、1千万円以上もらっている人って、実は働いている人の4%くらいしかいないんですね。そのうちの1・5%は役員ですから、残り2・5%でそれも希望者だけとなればものすごく少ないところでスタートするんですけど、まあ、我々としては小さく産んで大きく育てるという発想を変えて、まあ、時間法制ではかからない、労働時間法制はかからないけど、健康時間ということで別の論理で健康はちゃんと守って、だけどむしろクリエイティビティを重んじる働き方をやってもらうということで、まあ、とりあえず入っていくので、経団連が早速1075万円を下げるんだといったもんだから、まああれでまた質問がむちゃくちゃきましたよ。
ですから皆さん、それはちょっとぐっと我慢して頂いてですね、まあとりあえず通すことだと言って、合意をしてくれると大変ありがたいと思っています。(ブラック企業被害対策弁護団 http://black-taisaku-bengodan.jp/siozakihatsugen/)
これは法案提出勅語の2015年4月20日、日本経済研究センターの「会員会社・社長朝食会」において100人の財界人を前に語った音声だそうです。
なぜこのような発言をしたかというと、4月6日に榊原経団連会長が記者会見で、
制度が適用される範囲をできるだけ広げていっていただきたい
実効性あるものにするには、(1075万円以上の)年収要件を緩和し、対象職種も広げないといけない
少なくとも全労働者の10%程度は適用を受けられるような制度にすべきだ。
(「年収1075万円以上」の要件緩和を 「脱時間給」めぐり経団連会長 : J-CAST会社ウォッチ http://www.j-cast.com/kaisha/2015/04/13232901.html
経団連会長の「残業代ゼロ制度の対象を広げてほしい」発言に、労働者から悲鳴http://irorio.jp/nagasawamaki/20150407/219526/)
といった発言があり、それに対する反発が大きかったようです。
そこで塩崎厚労大臣はたまらず、「みなさんの要求はわかってますし、私たちも同じ思いです。国民感情を荒立てずに合意を作っていくために、お願いだから目立つ発言は控えてください。あとから対象者を大きく拡大していきますから。」とお願いしたということです。
今は私たちに影響がないのだから、そのときに反対すれば良い、って思う人がいるかもしれません。でも、国会での議論なしに年収要件を少しずつ下げられて、1000万円を900万円にする厚生省令が出されたとき、私たちは反対するでしょうか?900万円が800万円になったら?・・・そうやって500万円が400万円になったら?あなたはいつ反対しますか?
私は、今反対します。ゆでガエルの実験台になる前に、釜に放り込まれる前に声を上げたいとおもいます。
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